この事例の依頼主
70代 女性
Mさんは、もともと借入はしていませんでしたが、ある時押し売りのような形で高額の宝飾品を買わされてしまい、100万円ほどの割賦払いをするようになりました。その後も、定期的に買い物をしていると、割賦払いの残高は300万円近くにもなってしまいました。当然毎月の返済額も大きくなり、給料だけでは返済不能の状態に。それでも、Mさんは、何とか割賦払いを続けようと、銀行・クレジットカード・消費者金融から次々と借入をするようになりました。しかし、借入をすれば元本のみならず、利息の返済も必要になります。借入をすることでさらに返済は厳しくなり、借入で返済をする自転車操業状態になってしまいました。割賦払い残高と借入の総額が500万円にもなり、毎月の返済が10万円を超えて限界を感じたMさん。状況を変えたいとして、当事務所に債務整理の相談に来られました。
ご相談時点で、Mさんの債務状況は下記の通りでした。・買い物の割賦払いの残高 約300万円・銀行からの借入 約100万円・クレジットカードの借入 約50万円・消費者金融からの借入 約50万円Mさんは、年金以外に給与収入がありましたが、70代で給与は少なく、毎月10万円超の返済はとてもできません。そのため、借金を返済しなくてよくなる破産を選択し、手続きを進めました。買い物しすぎが債務の主な原因のため、浪費の免責不許可事由を指摘される可能性が高い状況でしたが、債務額が極端に大きいとは言えないことや押し売りのような状況であったこと等から、最終的に免責は認められるとの見通しのもと手続きを行いました。実際に裁判所に申し立てたところ、免責不許可事由の指摘はあったもの、借入の原因や現在の生活状況を説明した結果、無事破産・免責が認められました。
破産に至るまでには、多少なりとも浪費と言い得る事項があることが多いように思います。浪費は程度によっては免責不許可事由に該当しますが、浪費があるからと言って全てが免責不許可になるわけではありません。本件でも破産までの事情等を説明することで、無事免責が認められました。