この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
依頼者は、仕事での強いストレスから、匿名掲示板で会社経営者に対する誹謗中傷を書き込んでしまいました。誹謗中傷の内容は、会社経営者の名誉を傷つけるものであり、結果として相手から発信者情報開示請求がなされました。プロバイダからの開示により、依頼者の住所が特定され、相手方の弁護士から損害賠償請求書が自宅に届くこととなりました。依頼者は、家族に知られることを恐れて、届いた損害賠償請求書を内密に処分し、放置するという対応を取ってしまいました。誹謗中傷を理由とした請求を無視した結果、相手方は裁判所に訴訟を提起し、訴状が自宅に届くことで家族にすべてが発覚する事態となりました。依頼者は深く後悔し、家族との話し合いを経て、弁護士への相談を決意しました。家族に知られたくないという理由から対応を遅らせ、最終的に訴訟に発展してしまうケースは少なくありません。特に訴状が突然自宅に届いたことで、家族にバレてしまうケースも多く発生しています。
訴状を受けた後、依頼者は弁護士に正式に依頼し、訴訟対応を進めることとなりました。弁護士は、受任後すぐに訴状の内容および依頼者が行った掲示板への書き込みを詳細に確認し、さらに過去の類似裁判例や法的資料を調査しました。調査の結果、今回の誹謗中傷の内容については、相手方が請求している損害賠償額が一般的な相場と比較して極めて高額であると判断されました。これを踏まえ、弁護士は答弁書において減額の主張を行い、その後の訴訟でも粘り強く反論を重ねました。最終的には、当初請求されていた金額の5分の1以下という大幅な減額内容で訴訟上の和解が成立しました。依頼者は、金銭面での負担が大幅に軽減され、裁判も円満に終結することとなりました。弁護士による適切かつ迅速な対応により、依頼者は精神的にも落ち着きを取り戻し、家族とも関係を戻すことができました。このように、弁護士が介入することで、請求額の大幅な減額や、訴訟の円満な解決が可能となるケースは多く存在します。
今回の件は、訴状が届いた直後にご相談いただけたことで、裁判の準備を十分に整え、適切な反論を行うことができました。インターネット上の誹謗中傷に関する損害賠償請求では、相手方の主張が必ずしも妥当であるとは限らず、今回のように過剰な請求がなされることも少なくありません。重要なのは、こうした請求を受けた際に、すぐに専門家に相談することです。不当な請求であっても、裁判を欠席してしまえば、相手方の主張通りに判決が下されてしまうおそれがあります。また、発信者情報が開示された段階、あるいは損害賠償請求の書面が届いた段階でご相談いただければ、訴訟に発展せず、交渉段階で解決できるケースも多くあります。今回のケースのように、匿名掲示板での誹謗中傷が原因であっても、速やかな法的対応により大きな負担を避けることが可能です。発信者情報が開示された場合や請求書が届いた際には、放置せず、速やかに弁護士にご相談されることを強くお勧めします。