この事例の依頼主
20代 男性
相談前の状況
相談者は、大手保険会社に新卒で入社しました。就職時の説明では、休暇も多く、9時~17時の勤務、労働時間は月140時間程度であると説明を受けていました。しかし、実際に勤務を始めると、17時で帰ることはできず、20時ころまで残業することが常態化していました。帰れなかった理由は、①17時以降に会議があること②営業社員を統括するという業務内容からして、営業社員が帰社し、報告をして、それをまとめる等の業務があったこと、という点です。この会社では、パソコンのログイン記録で労働時間を管理していましたが、月末に提出する報告書では、「残業をしていない」という報告を強制させられていました。相談者は、入社当時に聞かされていた条件と大きく異なることから、退職を決意し、当事務所に来所しました。
解決への流れ
相談を受け、まずは弁護士の指導により、実際のパソコンのログイン記録に基づき残業時間を申告しましたが、会社は申告を受理しませんでした。相談者の方は、この受理しなかったという記録も残していました。相談者の方から正式な依頼を受け、退職後に弁護士から請求書を送付。その際、上記のとおり残業申告を受理されなかった事実を主張しました。会社にも代理人が就任しましたが、代理人同士で協議したところ、300万円を支払う旨の和解が成立しました。受任から2週間でのスピード解決でした。
本件では、労働者に、実際より短く労働時間を短く申告させていたという事例です。このような場合でも、パソコンのログイン記録等で労働時間を立証し、残業代を請求することができます。資料が無くても、あきらめる必要はありません。また、本件は弁護士がきちんと立証につき相談者に指導したことで、相手方弁護士もすぐに和解に応じてもらえまた事例です。