この事例の依頼主
20代 女性
相談前の状況
出産後間もなくして夫の浮気が発覚しました。また、夫は給料のほとんどをギャンブルなどにつぎ込んでしまい、家に生活費を入れないという問題も抱えていました。相談者は、生まれたばかりの子供を抱えながら、親からの援助を受けなんとか生活しているという状態でした。相談者としては、離婚したいという意思を有しているものの、慰謝料や養育費といったものもきちんと払ってもらえるか不安があり、離婚に踏み切れない状態でした。また、その時点ではまだ夫と同居していました。
解決への流れ
ご依頼後にまず相談者にお願いしたことは、浮気の証拠を確保していただくことでした。具体的には、夫の浮気相手の女性とのメッセージのやりとりをしている画面のスクリーンショット、あわよくば夫がそれを認めている念書を獲得していただくようにお願いしました。これらは慰謝料を払ってもらうための強力な武器になるからです。そして、それらの証拠を確保した上で別居に踏み出していただくようにお願いし、調停を起こした上で婚姻費用を支払ってもらいながら手続を進めていくことをご提案しました。調停では「不貞」という法定離婚事由とその証拠があるため、有利に交渉を進めることができました。結果、慰謝料と相場より高い養育費、財産分与を獲得することができました。
相手方から有利な条件を引き出すためには、その後の手続も見据えた広い視野が必要です。夫婦二人で話した時は不貞を認めていても、弁護士が入ったことを知ったことによって相手方が身構えてしまい、不貞を否定するに至るということはよくあります。そこで、ご依頼いただいてもすぐには通知を発送せずに、まずは証拠を獲得していただくことにしました。そうすることによって、離婚事由の確保、慰謝料獲得の大きな武器を手に入れることができました。交渉を有利に進めていくためには、このように戦略が必要とあなります。とても満足していただいたと感じています。