犯罪・刑事事件の解決事例
#労災認定

【下肢欠損】【後遺障害4級】裁判で事故態様と会社側の過失を明らかにし、総額7,800万円の損害賠償金を獲得した事例。

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林 征人 弁護士が解決
所属事務所プロスト法律事務所
所在地大阪府 大阪市浪速区

この事例の依頼主

30代 男性

相談前の状況

被害者は運送会社に勤務されていましたが、私有地内にある会社駐車場で資材を運んでいる途中に、倉庫からバックしてきたフォークリフトに轢かれるという事故に遭われました。この事故で、被害者は、右脛骨開放性粉砕骨折・右下腿部広範囲デコルマン損傷等の深刻な傷害を負い、下肢を温存することが困難であると判断されたため、膝関節離断術を受け、右膝関節下欠損となり、労災保険から後遺障害4級5号の認定を受けました。当初、会社側は、損害について「十分な補償はする」と回答していたことから、被害者は警察に被害届を提出しませんでしたが、後々になって態度を翻し、「被害者の過失が極めて大きい」「補償は労災で十分である」として、支払うべき賠償金は存在しないと主張してきたことから、当弁護士事務所に相談・依頼がありました。

解決への流れ

当弁護士事務所は具体的な事故状況を確認するため、事故当時の捜査担当の警察官との面談。衝突位置やおおよその事故状況を確認した上で改めて、被害届を提出し、正式な捜査が行われることとなりました。当弁護士事務所は、捜査資料を確認した結果、十分に過失割合を争えると判断して提訴。裁判では、加害者側は、現場は業務中の車両が通行することが予定された私有地であることから、一般道路と異なり、歩行者よりも車両の通行が優先されると主張し、加害者側には過失は存在しないと主張しました。これに対して当事務所は、労働安全衛生法・同規則がフォークリフト等を用いて作業を行う事業所内の安全基準を定めており、事業所内の労働者・歩行者を保護していることを指摘し、私有地である会社駐車場内であっても、歩行者の安全が保護されることは変わらないと主張をし、且つ、同様の判断を行った判例を証拠として提出しました。裁判所は当方の主張を受け入れ、事故当時の状況から被害者にも相当程度の過失があることは確かであるが、加害者の過失の方が重大であることを認めました。その他、裁判所は、被害者の後遺障害の状況から、将来介護費用・自宅改造費・逸失利益等についても有利な内容を認定。最終的に、この事案では総額 7,800万円で解決することが出来ました。

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林 征人 弁護士からのコメント

労災事故では、事故当初に警察が関与していないことから、事故態様自体が争いになることがよくあります。また、過失割合についても、事故時の作業内容や場所・当事者の属性によって大きく変わり得るため、被害者と会社側で激しい争いになることが非常に多いのです。特に、本件のような重傷事案では、事故態様・過失割合・損害論について、徹底的な争いになることが予想されるため、早期に弁護士に相談して頂くことが重要です。